こんな小さなパーツでも・・・

1980年代、20万番台初頭までは、ピストンのスピル、所謂バルブガイドと呼ばれる部分が、真鍮製で作られていました。

 

僕はこの頃までをてっきり「セミアーリーエルクハート」と呼ぶようになったのかなと思っていましたが、そういうわけではないようです。

ブローカーたちが使うようになった言葉とのことですが、明確な情報はなく、おそらく30万番台に入る前までを指すのかなと思っています。

 

ヤマハの上位機種などは今でも真鍮製のバルブガイドを使っていますが、ハンドメイドの楽器なんかでもプラスチックが多く、どっちがいいとはやはり言い切れない部分があるようです。

 

バックがプラスチック製に切り替えた理由はコスト面ではないかと言われていますが、僕は吹きやすさなのではないかなと感じました。

バルブケーシングが1ピースになったのは製作工程の簡略化なのかも、とは思いますが・・・(昔のNYバックは2ピースでも洋白を使っていないものなどもあったので、真鍮製にしたかったから、という理由だけではない気がします)。

 

ちなみに3つならんでいますが一番手前はセミアーリー、真ん中がバーノンに入っていたもの、一番奥が現行品(アルティザン)です。

どれも微妙に形状が違いますが、重さはさほど大差ありません。

 

しかし、これまた主観ですが、吹奏感はまるで違います、、。

 

ちなみに真ん中のバーノンに入っていたものは、楽器やさん曰く、おそらくオリジナルではなく、近年のものではないか、とのことでした。

なぜならば、楽器の使用感に対し、やや状態がよいこと、この時代のものは面取りされているものが多いことなどからだそうです。

しかし、現行品とも形は違いますし、10年くらい前のオプション品とも比べましたが、やはり微妙に違いました・・・。

 

また、奥の方に移っているピストンスプリングも、この真鍮製バルブガイドの頃は樽型をしていました。

当時は操作感からあえて樽型に整形していたそうですが(ストレートだと反発が強すぎる)、へたりやすく、へたった時にピストンの内壁に干渉してしまうことから、近年は技術の進化もあり、ストレートになったとのことです。

 

バルブガイドに比べると、スプリングの違いは大きな違いを感じませんでした。

昔、BSCのハイスピードバルブスプリングに変えたときは音が軽くなってしまい、速攻外した記憶があるのですが、、、。

 

いやー、トランペットは深いです。

 

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コメント: 2
  • #1

    澤田仁志 (日曜日, 27 2月 2022 00:03)

    今,MONNETのB973とC973を使用していますが,モネ純正の部品のピストンガイドとピストンバネが欲しいのですが購入出来ますか?

  • #2

    店主 (日曜日, 27 2月 2022 00:52)

    可能かと思いますが、一度現物をお預かりする必要が出る可能性がございます。また、費用はワンオフ製作となり、ワンセット2万円弱くらいかかる可能性がございます。